(ぼうや) でも、実際、この町中に木造3階建ての建物なんて、そうそうありませんよね。
(社長) そうだね。三桜社は2階が倉庫だから、いつ床が抜けるかヒヤヒヤしているよ。踏んだらヤワらかいところとかあるしね。
(ぼうや) ・・・・恐ろしい話だ。改装とかしないんですか?
(社長) そうだね。できるモンならしたいね。ただ、改装し終わったら、多分倒産してるだろうね。
(ぼうや) ムチャクチャに、重いこと、申しますね。
(社長) この建物に愛着をもって頂いているお客様も多いわけだしね〜。しかも、最新鋭の防犯設備よりももっと、優れた防犯システムがこの木造社屋にはあるんだ。だから、あえて改装しないと言うのもあるね。
(ぼうや) おっ。本当ですか。(苦しい言い訳だな、こりゃ)
(社長) うぐいす張りって知っているかな。昔の武家屋敷などは、床がこんな作りだったらしい。三桜社もそうなんだ。
(ぼうや) え〜。昔の武家屋敷の工法なんですか〜。すげ〜。
(社長) いや。多分、関係ないと思うんだけど。誰かが、床を歩くと「キィ〜 キィ〜」って音がするのよ。それを聞くとすぐに、くせ者が進入したことが分かるのでござる。
(ぼうや) それって。きしんでるだけじゃないですか。
(社長) 物事はとらえ方だよ。現に、1階で社員全員で朝礼をしているときに、2階に誰かが入ってくると、「キィ〜キィー」って言うだろ。「あ、誰か来てますね、ちょっと見てきます」って言う光景よくあるね。考えてもごらん。これが、もし仮にコンクリートでできた社屋だったら、大変だよ。誰が進入してきても音が鳴らないから分からない。
(ぼうや) すばらしい防犯システムですね。ってオイ!(のりつっこみ) 私、一人で残業していると、会社のあちこちで「キィ〜キィ〜」言うんですけど。特に風強い日。ものすごく恐ろしいんですよ。崩れそうで。
(社長) 伊賀のものでも忍びこんでいるのかのう。それとも、座敷わらしか!
(ぼうや) わっ。最後まで、このテンションか。参ったでござる。
(三桜社ニュースレター「いち・に・の 三桜社」2005.7月号より転載)
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